2009年03月06日

冷血(トルーマン・カポーティ)

読んでる間ずっと、「多田由美さんの漫画みたいだ」と思っていた。
加害者である二人、特に、
「センチメンタルで子供みたいな夢を抱いてて、ずるくて、
 冷たくて、いじけてて、ふと無防備に優しさを見せる」
そんなペリーに対する視点が、カポーティと多田さんは似てると思う。
同情じゃなくて、憐憫でもなく。

でも漫画やアメリカ映画みたい、つまりフィクションみたいって思うことで
事実として有った事件なんだってことから逃げてるのかも。
小説の通りではなかろうとは思うけど、
しょうもない理由で殺された人がいて、殺した人がいて、というのは紛れも無い事実だ。
そこについては、まだ考えが及ばないから保留。

とにかくほんとに映画みたいな小説だった。シーンの切り替わり方など。
目の前に情景が浮かんでくるようだった。
あんまり映画みたいに上手に出来てて、余計に「事実」として感じることが難しい。
posted by κ at 13:37| Comment(0) | TrackBack(1) | 本、読んだの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月03日

らせん(鈴木光司)

とりあえず「リング」続編、読んでみた。

女性の下着のことを「パンティ」「パンティ」と連呼してて可笑しかった。
更に凄く真面目な話してるのに「ノーパン状態」ってさらっと書いてあって、笑った。
「パンティ」って、昭和の香りがする語感だ。
この作家の人の描く街とか女性も、昭和っぽいなと思う。
(渡辺淳一の「スキャンティー」には負けるけど)

様々なトンデモ設定があったけど、まあ、
「力技、見させてもらいました」ってことで。
ただ、これはこの作品・作家に限らずに思うことなんだけれども
作品内の人物をあんまりにも完璧超人化させちゃうと、
面白くなくなるなあ。欠点も無いと。

でも「どこまでこの力技で話を続けるんだろう?」と気になるから、
続きも読む。
posted by κ at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | はみだし日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

リング(鈴木光司)

凄く今更だけど読んだ。
映画のほうは、10年以上前に友達と震えながらビデオで観た気がする。

印象的だったテレビから貞子が出てくるところ、
小説ではどうやって描くんだろ?と思ってたら、そのシーンは無かった。
目のシーンも無かった。あれは、映画だけのものだったみたい。
でも、あれだけパクられる程有名になったシーンなのだから、
名シーンと言えるだろなと思う。

どれほど恐ろしいかと思って昼間に読んだんだけど、そうでもなかった。
「わけのわからないもの」は怖いけど、丁寧に説明されるとそんなに怖くない。
読者にわかりやすいように書いてるんだろうな、と感じた。読みやすいし。
ホラーの作家だとばかり思ってたけど、文体などから感じるのは、
もっとスタンダードなものでした。

主人公の記者の浅川和行さんは「浅川」と称されてるのに、
相棒(?)となる高山竜司さんは「竜司」と称されてたのが気になった。
浅川さんよりも竜司さんの方の描写に力が入ってた。
posted by κ at 17:32| Comment(0) | TrackBack(2) | 本、読んだの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月08日

ダイハード4.0

ものすごく適当なダイハード4.0

ものすごくやる気が無い絵で、ごめんなさい。
戦闘機の筈が、イカのばけものになった。

「もうマクレーンが出てれば兎に角ダイ・ハードなのだね?」という映画だったけれど、
意外と結構たのしめた。(という言い方も酷いな、いっぱいお金がかかってそうなのに)
「マクレーン一人vs戦闘機」シーンなんか大笑い。凄いなあ。戦闘機相手に、素手。
次回作は「マクレーンVSロケット」になるのかなあ。そうしたら「アルマゲドン」だなあ。

けども、所謂「サイバーテロ」を現代社会でリアリティもたせて表現するのは、むつかしいね。
観る側が「サイバーな感じ」に下手に免疫できてるから、悪の施設が黒くてツルピカだったり、
悪のネットワーク同士で顔を知ってたりするのが「前時代的だなあ」って思ってしまう。
今更ホワイトハウス爆撃CG如きでFBIびびるなよなー。
(でも「大統領つぎはぎ声明シーン」は割りと好きでした。)

「未来っぽいテロ」というと、安直に「パトレイバー2theMOVIE」を思うのだけど。
「パト2」の「レインボーブリッジ爆破→自衛隊システム侵入→東京の橋をおっことして回る」に比べると、
今回のシステム侵入経路は、割りにわかりやすいテロ方法だなあと感心した。
さすがハリウッドだ。
そして、ふと思ったのだけど、この作品と「パト2」って
「あんまり意味も必要性も無く戦闘機が出てくる」ってところは、同じですね。好きだけどね。そういうとこ。

最後に、「年寄りデカとオタクが世界を救う!」という設定は日本版にしたら物凄く楽しいと思う。
万年平刑事が藤田まことで、3次元の女の子に興味が無い「スーパーハッカー」は…
とりあえず、思いつかないから、マツケン。
悪役はちょっと前のIT企業崩れみたいのか、うーん、
4畳半の汚いお部屋に自作のPCがいっぱい積んであって、遊び半分でワカモノ二人くらいで
テロリスト(掲示板に義勇軍いっぱい有り)などというのはどうでしょう?
ちょっと全体的に直球過ぎかもしれないけども、これなら観たい。
全首相のつぎはぎ声明!東京タワー爆破CG! すげー、観たい。
posted by κ at 13:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画、観たの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月06日

日の名残り(カズオ・イシグロ)

『私を離さないで』が面白かったのと、
「執事の話らしい」というので読んでみた。

昨今メイドと供に執事も流行中の様子だけれど、
κはやはり執事は枯れていて欲しいなあと思う。似非は結構。
そんな「本格執事」を求める自分にはぴったりの小説でした。
くそ真面目で、一徹で、枯れてて、
「本物の執事品性である」と行き着いてる執事スティーブンス。
執事としては一級品なのに、どっか「ずれてる」ところも素敵。
直球で執事です。そして直球で「古典的イギリス」です。
わざとらしいくらいの、作者確信犯の直球ぶりが素晴らしかった。

彼に足りないのが「ユーモア」で、
「一所懸命考えたギャグが受けない」という場面が良かったなあ。
「真面目な人が賢明にやるギャグがつまらない、のが面白い」
という感覚。
基本的に真面目なお国柄でこそ共感できる「笑い」なのかな、と思う。
日本人も、真面目で排他的でおすまししてるから、似てるから、
笑えるのかなあ。よその国の人だとどう感じるんだろ。
あ、日本といっても東京近辺限定なんだろうか。大阪は違うな。外国だな。

時代や場所があちらこちらに移ったり戻ったりするくせに
いつの間にかしっかりと読者を惹きつけるお話の運び方も、良かった。
『わたしを離さないで』の時もそんな感じだったので
カズオ・イシグロ独特のお話の運び方なのだろか。
寄せてはかえす波のような、それでいていつの間にか満ちてる海のような筆運び。凄い。

主人公の執事スティーブンスは、映画化の際は
かのアンソニー・ホプキンスが演じてるとのこと。素敵。
(近々映画のほうも観てみる予定。)
が。読む前にホプキンス映画化情報は頭にあったので
すっかりホプキンスのイメージで読んでしまったのだけど、
訳者あとがきでは「バットマンの執事」のイメージで訳したそうです。
うーん、あれはあれで素敵な執事だけど、全然違うなあ。

posted by κ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 本、読んだの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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