先日の「蜘蛛男」話もあって、読み返してみた。
「蜘蛛男」の女性の容姿に対するきっぱりした好みの激しさが、
テッド・バンディーを思い起こさせた。
1970年代のアメリカの猟奇殺人犯で、自供してるだけで40人くらい犯して殺して犯して、
そして殆ど全部、黒髪でロングヘアーで真ん中分けで若い娘ばかりを狙った人。
頭は凄く良くて、弁護士を雇わずに、自分で自分の弁護をやってしまう程だった人。
でも、「蜘蛛男」の発表はバンディーよりも遥かに昔で、モデルにした筈もなく。
κが無学なだけで、昔からこういうタイプの猟奇殺人犯って、いたのかな?
それとも「猟奇殺人犯は同じ女を狙う」みたいなのは、学説として、あったのかな?
それとも殆ど本能的に、直感的に、
「殺人鬼は同じ顔の女性が好きである」と、乱歩はわかってしまったのかな?
だとしたらそれが一番こわい。
まあ実際には、顔が同じという理由で
「次に狙われる女性はこの人だ!」っていうのが無いと話が進まないと言う、
即物的な理由だったのだろうとは思うのだけれど。
江ノ島の水族館の、人魚のシーンが好きだった。
そして、後半の犯罪インフレ状態(かなり無理矢理な大量誘拐)は結構笑えてくるのだけれど、
よく考えたら、「ベタなナンパで誘拐して40人以上殺した」のがテッド・バンディーなわけで、
彼の話をフィクションとして読んだら(掴まっても脱走までするのだもの)、
それこそ「無理矢理過ぎる」と感じるだろうな、と、複雑な気持ちになる。