2007年02月21日

【はみだし日記】オルセー・うどん・夢二

2_21上野護国院.jpg

「オルセー美術館展」を観に、上野へ。
朝いちばんで行ったのに、もう凄いひとごみ。
根性が無い上にひとごみが大嫌いなκは早々に音をあげて、
「もうこれは、好きなやつだけぱっと見て帰ろう」と決めた。

好きだなと思ったのは、ヴィルヘルム・ハンマースホイの
「室内、ストランゲーデ30番地」というお部屋を描いたものと、
フレデリック・バジールの「バジールのアトリエ、ラ・コンミダヌ通り」というもの。
偶然にもどちらも「室内もの」だった。
たぶん、どちらも絵葉書サイズだったらば、いいと思わなかったかも。
或る程度のサイズがある絵の前に立つと、
自分と画家の視点が一緒になれる。そこが面白かったのかもしれない。
あと、ガラ?だったかな、その人の、建築風の絵も、好きだった。

ゴッホのお部屋の絵も、こわごわ見た。
ゴッホの絵って、生で見ると渦の中に巻き込まれるような激しさが恐くて、
傍で見るのがちょっとおっかないのだけれど、
(例えばそれは滝つぼを見下ろすのや、台風の目を見上げるのに似ているかもしれない、)
室内の絵は、そう恐くはなかった。静かな感じで。太陽の匂いがして。

美術館をまるごと持ってくる展示って、苦手だな、と、しみじみ感じる。
どちらかというと「時代」とか、「作風」とか「作者」とかで括ってくれた、
展示全体に物語がある展覧会の方が好き。
ひとつの物語を追っていく方が、頭が混乱しないから。
あれやこれやと一気に見せられるのって、
中華とイタリア料理と和食のおいしいところを一気に食べろ、って感じがする。
もたれちゃう。

あと、全体的に静かな雰囲気の作品が多いのに、みんなよく喋るなー。
絵って、映画とか本と同じで、黙って見てればいいんじゃないのかなー。へんなの。
ちょっと不満な気持ちで外に出たら、入場制限が起きていた。異常だ。狂っている。

ぱっぱと見てしまったので、ついでと言ってはなんだけれど、
隣のブースでやっていた芸大の卒業展示も見る。
芸大のレベルはやっぱり高いなあ、、、アベレージが違う、
そして、ぶつけてくるパワーが素晴らしい。
「若いちから」を口ずさみながら見て回ってみた。

芸大の裏の護国院にお参りしてから、お昼。一度食べてみたかった、うどん専門のお店へ。
注文が来てからうつというところ。
和歌子は釜上げうどん、κは細打ちのざるうどん。見た目からしてシンプルで美しく、美味しそう。
両方を味見しあいっこしつつ食べる。
讃岐うどんとはまた違う感じだけれど、こしがあって美味しい…素晴らしい。
おいしいうどんは、「生きてるうどん」って感じがする。うどんライブ。
久々に無言で、もくもくと食べる。高松以来の無言うどん状態。
余りにもうどんが美味しい場合、人は無言になるね。
「美味しいうどんの為なら何処へでも」のκ、東京にナイスうどん場所ができて、ニコニコだ。

食後。不満が多かったお口直しに、というわけでもないのだけれど、
一度行ってみたいと思っていた竹久夢二美術館(および併設の弥生美術館)へ。
おそろしく空いていて、ほぼ貸しきり。

美輪様の本で読んで以来、見てみたいと思っていた華宵の絵も見る。
女の子の着物のあわせ方が、えらいことハイセンスで素敵。
そして夢二。今回は日本画とか俳句とかがメインだったのだけれども、
やっぱり一番好きだった彼女を描いてる絵が、いちばん輝いて見えた。
掛け軸は絵も素敵だけれど、表装も素敵なんだなあ。
あと夢二イラストの双六、かわいいなあ。

夢二さんって男としては、源氏的というか、好きになれないところも多いのだけれど、
「男性ならではの、女性に対するロマンチシズム」とか、
あと圧倒的なセンスの良さ、へなちょこのような強いような、
そこらへんが、なんとも、好き。

それにしても夢二。本名、茂次郎。…知りたくなかった…
そして夢二、恋人の親にばれないように使う二人の合い言葉が「山」「川」って…
単純すぎる…バカみたい…
彼が書いた恋文の前で、ひとしきり笑う。
死後にラブレターも全部公開されちゃうなんて、ちょっと、かなり可哀想だなあと思いつつ。

なんだか今日は色々いっぱい見て感じて、頭が、筋肉痛。
次回は着物で夢二美術館に行ってみよう。
posted by κ at 22:47| Comment(4) | TrackBack(0) | はみだし日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本に有名な展覧会が来ても人がいっぱいすぎて、絵を見るよりも周囲の流れとかそんなことが気になりすぎて集中できないのはすごくもったいないですよね。

パリの有名な美術館はどこも桁外れにでかくて、ゆったりしていて、美大生みたいな若者が絵の前に座って熱心に模写をしていたりしますが、ああいう環境が芸術家を育てるんだなあと思います。
Posted by 紀州ロックオルガン at 2007年02月22日 22:36
●紀州ロックオルガンさま

そうですね、人が多いのもそうだけれど、
なんとなく日本での展示は「キチキチ」していて、
「芸術品のミイラ」「標本」って感じもしてしまいます。
総ての人が現地で観られるわけじゃないので、
この窮屈な感じは何とかして欲しいなあー。

パリ、行ったことないのだけれど、
今回ので余計にいきたくなりました。
Posted by κ<かっぱ> at 2007年02月23日 19:10
ニュースでオルセー美術館の従業員(?)が待遇改善と賃上げ要求のストライキで入場無料だと言ってました。先月はルーブルでもストで無料の日があったそうです。ちょうどその日にパリに行ってたら嬉しいのにね。
☆紀州ロックオルガンさま
横レスさせて下さいまし。
ミラノの古城の美術館でも作品の前で模写する人々を見ました。ヨーロッパは太っ腹。うらやましかった。それにひきかえ、細かいところが見たくて眼鏡を出そうとポシェットに手を入れたとたんに係員が飛んでくるって……日本は見る時に余計な気を使う。作品に「ひたれない」
Posted by さくら at 2007年02月24日 14:49
●さくらさま

「美術館でスト」というのが既に、
日本では考えられないことですね。
あと確か現在のパリ市長の発案で、
一年に一回「白夜」というイベントがあって、
24時間、パリ中の美術館や博物館が営業するのだとか。
楽しそう。

東京ももっと楽しくなって欲しいな。
シンタローじゃ無理かな。。。
Posted by κ<かっぱ> at 2007年02月25日 12:28
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