2007年05月23日

【本】マイノリティ・リポート ディック作品集(フィリップ・K・ディック)

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」で有名なフィリップ・K・ディックの短編集。

ディックの本って、ちっとも未来の話に感じられない。

「ジェイムズ・P・クロウ」は人種差別の話だったし、
「世界を我が手に」は、ガラス玉の中で世界を創って遊ぶなんて、
「たまごっち」とか「シムシティ(だっけ?)」を見事に予見していて吃驚だ。

覚えておきたい今回の単語としては
「プレコグ」(予知能力者)がある。
多分、こう、
ガンダムの世界においての「ミノフスキー粒子」みたいなもので、
(ここでガンダムを引き合いに出すのもどうかと思うけど)
SFファンからしたらば「そんなもの、当然でしょ」という初心者アイテムな単語なのだろう。
でも嬉しいから、暫く使うのだ。プレコグ、プレコグ。

因にプレコグって、
年が若いのによぼよぼに老いているという設定。
ここいらへん、『AKIRA』って、ディックの影響を受けているのかな、と思った。
よぼよぼの子供達が予見する未来。

表題にもなっている「マイノリティ・リポート」はトム・クルーズ主演で映画化されてるけれど、
未見なので、見てみようっと。
ちなみに最後の短編「追憶売ります」は、
「トータル・リコール」としてシュワルツネッガー主演で映画化されてる。
こっちは観たけど、基本設定をふくらましてアクション映画にしたんだな、という印象でした。




さてκ、あんまりSF短編って読んだ事なくて、
これがディックの持ち味なのか、それともSF短編がこういうものなのかがわからないのだけど、
SF短編って、落語に似てると思う。
最後にくるっとひっくり返すどんでん返しとか、オチの付け方とか。
ああ、でも考えてみれば、ミステリーの短編もそういうものだっけ。

SF短編、ミステリー短編、落語。
総じて言うと、「短くて、話の流れが洗練されており、ちょっと皮肉で、最後に落とす」ものたち。
そういうものを、更に暴力的に総じて言うと、

「既に古典」
という事なんだろうな。一種の。
前線のものじゃない、という感じがするのだった。

決してそれが悪いということではなく、κは、そういうの、割と好きなんだけれど。
今ってもっと、笑いとか驚きの傾向が違うと思う。
まさにシュールレアリズム以前/以後って奴か?
意味もわからずに言ってみただけなのだった。ごめんなさい。
posted by κ at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 本、読んだの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トータルリコールって原作があったんだ?知らなかった。アンドロイドは〜もまだ読んだ事無いのだ。ずぅっと気にはなっているんだけれども。
SF短編といったら星新一と筒井やすたかくらいしか思い浮かばない。。。最近出版された「星新一 一〇〇一話をつくった人」が気になる今日この頃(星新一についてかかれた本だけども)
以前いいともでタモサンが「知人に『アルジャーノンに花束を』を面白いSF小説だよって勧められた」って言ってたのを見て、あぁ確かにSFかもねぇと妙に納得してしまったです。
何だかんだ言って私も古典好きだしな(笑)ミステリーばっかし読んでるけども吹雪の山荘とか孤島とか、クローズド・サークルがくると興奮しますもの。
Posted by るぅ姉 at 2007年05月25日 09:43
●るぅ姉さん

「トータルリコール」一応、原作ってことになるみたいです。ただ「殆ど全く別のもの」です。
「アンドロイド電気羊」は名作。映画化した「ブレードランナー」も全くベツモノだけれど、こちらも名作。お勧めです。

星新一は「ブランコの向こう」?タイトル違う?
それくらいしか読んだことないなあ、
筒井康隆は、凄くマゾヒスティックなヤクザさんの話と、時を繰り返す女の子の話は読んだと思います。面白かったのだけど、タイトルが思い出せない。何だったっけなあ。

そうか、「アルジャーノン」をSFと括るか。
かなり暴力的な括りだけども、確かに一種のSFかもしれない、、、
でもそれを認めてしまうと、
「安部公房はSF作家」みたいなところまで行ってしまいそうな気持ちになります。

どちらかと言うと、「あの物識りなタモリがアルジャーノンを知らない」という事の方に驚きました。
Posted by κ at 2007年05月25日 20:46
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