
次期パリ警視総監を巡っての二人のおじさんの攻防(?)を描く話。
もっと二転三転していくストーリーなのかと予想してたけれど、
存外シンプルな話だった。
お話だけだったら、凄く良くできたテレビ朝日の刑事ものというところ。
是非、藤田まことと蟹江啓三でリメイクして欲しい。
(もうちょっとお洒落にまとめるならば、緒方拳と長塚京三も良い。)
しかし、テレビ朝日と一線を画すのは矢張り
「フランス人の渋さと美意識の底力」であろう。
ダニエル・オートゥイユが格好良い格好良い。笑いゼロで渋い。
ハリウッドとは違うなあといつも思うのは、俳優や女優の肌が荒れてるところ。
お鼻がちょっと曲がっていたり、ぶつぶつがあったりする。
でも、「それがまた、深みがある」のが不思議だ。
例えて言うならば、ハリウッドの俳優が千疋屋のつやつやの果物で、
こっちは市場で売ってるごつごつで小さくてひねてて、でも味が濃い果物って感じ。
どちらが優れてるとかではなくて、この味の濃さを存分に味わいたいのです。
そしてフランス女性のおんなっぷりも堪能。
娼婦のオバサンは我が家では
「キモノ・スリーブ(たぶん、日本の長襦袢だと思う)」をひっかけてくつろぐし、
「ち?とそこまでお買い物」の姿は、
さっくりとまとめた髪に金色のおおぶりのイヤリング、
オリーヴ・グリーンのコートをひっかけて
「絶対7センチはある」と思われる黒のピンヒール。
明らかに60才以上だと思うのだけど、これが格好良くて、見とれた。
昔に読んだ伊丹十三の本でも書いてあったけども、
フランス人て本当に「ぺらっとした、どうでもいいような革の」
コートを着るのが上手だ。
奥さん役が、これまた本当にぺらぺらの、
グレーのスウェードっぽいコートを羽織って出てきてた。
それがまた、とても似合っていたのが印象的。
あと、ハリウッドとは異なるタイプのアクションシーンが新鮮だった。
あんまり大掛かりじゃないところが逆に良かったのかも。
というわけで、この映画の良さって、
「一見フランス映画らしくないものを作っているのに、フランス文化が滲み出てる」
とこだとかっぱは思う。
だから、そういうのに興味が無い人にはあんまり面白くない映画だろうし、
ハリウッドでリメイクするらしいけども、
それって意味、無いんじゃ…とも思うんだけどな。
凄く派手派手なテレビ朝日刑事ものになるんじゃないかな。

